ギニア共和国におけるサパの活動報告(2000年4月〜12月)※サパ発行ニューズレター”バラフォン”より転載
Dr.スマ・アリガスバール/野澤眞次事務局長
はじめに
ギニアにおける活動のご報告が、4月から12月と種々の理由で長期に渡ってしまいましたことにお詫びを申しあげます。この大きな理由の一つにギニアの通信事情があります。昨年の3月に現地事務所を首都コナクリに開設すると共に、電話、FAX機を設置し東京事務局本部との連絡ができる態勢を整えました。しかし、ギニア電話公社の説明とは異なり、10月頃までは国際回線が少なく十分な相互連絡は取れませんでした。従って日本からの担当スタッフの現地出張による活動の実態把握に努めると共に、これらの情報をホームページ上でみなさまにお伝え続けました。そのためこのご報告とホームページでの情報が多少重複していますこと何卒ご了承ください。
モロタ村における霊長類の保護を兼ねた熱帯雨林の再生活動
●1999年度、既植栽木の生育状況と保育について
この活動は1999年にスタートし、土壌劣化で栽培継続が不可能となった元焼き畑地42Haに約9,000本が植栽されました。植栽樹種は、霊長類の食料となるカッシュナッツ、マンゴー、ネレ等です。焼き畑跡地には、雨林の切り株からの萌芽が多く生育していますため、これらの稚樹と上記新植苗木との混交林を、熱帯雨林再生の姿と位置付けています。
@活着率
昨年の植栽木約9,000本の活着率の調査を2000年7月に実施しましたので表1の通りご報告します。
上記の結果から植栽木の樹種別活着率は、カシュナッツ85.5%、マンゴ72.5%、ネレ41.5%となりネレの不振が目立ちます。原因は播種から発芽、生育のスピードが他の樹種に比べ遅く、植栽時の苗木丈が10〜15pと短いため回りの雑草との競合の影響を受けたためと思われます。しかし、ネレの枯死本数307本は、全活着本数の約4%と低く、同年の7〜9月間の雨季に他の枯死木と共に補植を行いました。今年のネレの新植には、苗圃での播種を1カ月早めに実施し、活着率の向上を目指しました。
A補植
上記の1999年植栽木の内、活着しなかった枯損木にたいする補植(1,901本)を7〜8月に行いました。この作業は、成林を目指す再生には欠かすことのできない重要な作業の一つと言えます。補植による活着率100%はあり得ませんので新たな枯損が発生します。従って、新植後33年間は再補植を繰り返す必要があり、活着の精度を高めていきます。
B保育
新しく植えた苗木は、最低3年間の保育が不可欠です。保育とは苗木の周辺の雑草を取り除く除草、焼き畑造成のための火入れの類焼を回避する防火帯の設置、乾季中の苗木への潅水の各作業等を指します。
従って2000年度は、1999年及び2000年度の合計2年分の植栽木の保育の実施が必要です。現在は1999年度植栽木の除草と防火帯の設置を作業中です。
はじめに
ギニアにおける活動のご報告が、4月から12月と種々の理由で長期に渡ってしまいましたことにお詫びを申しあげます。この大きな理由の1つにギニアの通信事情があります。昨年の3月に現地事務所を首都コナクリに開設すると共に、電話、FAX機を設置し東京事務局本部との連絡ができる態勢を整えました。しかし、ギニア電話公社の説明とは異なり、10月頃までは国際回線が少なく十分な相互連絡は取れませんでした。従って日本からの担当スタッフの現地出張による活動の実態把握に努めると共に、これらの情報をホームページ上でみなさまにお伝え続けました。そのためこのご報告とホームページでの情報が多少重複していますこと何卒ご了承ください。
モロタ村における霊長類の保護を兼ねた熱帯雨林の再生活動
●1999年度、既植栽木の生育状況と保育について
この活動は1999年にスタートし、土壌劣化で栽培継続が不可能となった元焼き畑地42Haに約9,000本が植栽されました。植栽樹種は、霊長類の食料となるカッシュナッツ、マンゴー、ネレ等です。焼き畑跡地には、雨林の切り株からの萌芽が多く生育していますため、これらの稚樹と上記新植苗木との混交林を、熱帯雨林再生の姿と位置付けています。
@活着率
昨年の植栽木約9,000本の活着率の調査を2000年7月に実施しましたので表1の通りご報告します。
上記の結果から植栽木の樹種別活着率は、カシュナッツ85.5%、マンゴ72.5%、ネレ41.5%となりネレの不振が目立ちます。原因は播種から発芽、生育のスピードが他の樹種に比べ遅く、植栽時の苗木丈が10〜15pと短いため回りの雑草との競合の影響を受けたためと思われます。しかし、ネレの枯死本数307本は、全活着本数の約4%と低く、同年の7〜9月間の雨季に他の枯死木と共に補植を行いました。今年のネレの新植には、苗圃での播種を1カ月早めに実施し、活着率の向上を目指しました。
A補植
上記の1999年植栽木の内、活着しなかった枯損木にたいする補植(1,901本)を7〜8月に行いました。この作業は、成林を目指す再生には欠かすことのできない重要な作業の一つと言えます。補植による活着率100%はあり得ませんので新たな枯損が発生します。従って、新植後3年間は再補植を繰り返す必要があり、活着の精度を高めていきます。
B保育
新しく植えた苗木は、最低3年間の保育が不可欠です。保育とは苗木の周辺の雑草を取り除く除草、焼き畑造成のための火入れの類焼を回避する防火帯の設置、乾季中の苗木への潅水の各作業等を指します。
従って2000年度は、1999年及び2000年度の合計2年分の植栽木の保育の実施が必要です。現在は1999年度植栽木の除草と防火帯の設置を作業中です。
●2000年度、新植栽分の各作業について
@育苗作業(育苗本数は19,600本)
昨年は、モロタ村より10q離れた山麓に位置する都市キンディア市で苗木の育成を行いましたが、植栽地まで車による苗木の運搬に可成の費用を要しましたので、今回は3カ所の集落でそれぞれ苗圃を造成し苗木の生産に当たりました。今年入手した苗木生産のための3樹種の種子の品質が極めて良好のため、発芽率が昨年の70%を上回る約85%となり、結果として昨年植栽の補植分1,900本を除き、合計17,700本の新植用苗木を生産できました。苗圃はモロタ村内のラミホレ、シンバラヤ、バハホリの3集落内にそれぞれ設置されました。各苗圃別の補植用苗木を除いた苗木生産本数は表2の通りです。
A地拵え作業
「地拵え」とは、植栽予定地の潅木、雑草等を除去し苗木の植え付けを容易にする作業を指します。モロタ村では、昨年同様3集落での植栽を継続することを集落とサパの間で合意されており、それぞれの集落で植栽予定地が選出され、雨季前の5〜6月に「地拵え」作業が実施されました。
B植栽作業(植栽面積は66.2Ha)
上記3集落の住民達の積極的な労力提供で7〜8月それぞれの場所に植栽されました。植栽本数は育苗 木の歩留まりが、種子の品質良好のため向上し、新植用に約17,000本が確保されました。従って植栽面積は合計66,2Haと当初の計画を約10%上回りました。今年はまれに見る豪雨が続き作業時間の制約を受けましたが、9月末にすべての植栽を完了しました。各集落別の植栽樹種別本数と面積は表3の通りです。
C保育作業
除草と防火帯設置の各作業は11月から始まりました。前述の通り今年は昨年の植栽面積42Haと、本年分66.2Haの合計約108Haが作業の対象面積となります。作業量は昨年の2.6倍となりますが、中でも年明け1月から始まる灌水作業は、気温40℃近い炎天下、毎週最低1回の作業が不可欠のため、住民達に苛酷な労働を強いる事になります。
D霊長類の行動観察小屋の建設と観察結果
霊長類の生息動向を調査するための監視小屋を、ラミホレとシンバラヤの2集落に各1棟建設しました。モロタ村では、周辺の森林の減少に比例して10年前程から霊長類による農作物の被害が増え始め、最近は深刻化しています。特に10〜11月の米、落花生の収穫期には、サバンナモンキー、チンパンジー、パタスモンキー、ヒヒ等の地上歩行もできる霊長類による被害がみられます。
又、10月中旬での観察では2種類(Cercocebus、Colobus polikomos)の霊長類が新たに発見されました。サパのスタッフ責任者 Dr.スマ(京大霊長類研究所で学位取得)の調査では、この2種類は樹上移動が主のため、森林が減少したモロタ村の環境での生息は限界に達しています。既に生息が確認されている4種類を加え計6種類となります。
サパではモロタ村の住民達と共同で霊長類の生息状況、特に種類別による群れの数と移動コースを監視小屋より調査していますが、住民の銃による殺害、罠による捕獲等で霊長類の警戒心が強く、全貌を把握するには至っていません。
サムレヤ村における
熱帯雨林の再生活動
サムレヤ村は、標高約700mのモロタ村の麓にあり、ギニアの首都コナクリから北東のマリ共和国につながる国道より約10q南東に位置する農業を主体の人口約1,400人の山村です。古老の話では、50年前まで熱帯雨林が村の回りを取り囲み比較的豊かな暮らしが営まれていた由でした。
この村のリーダーの長老達が、昨年の暮れモロタ村でのサパの活動を見聞し、サパに雨林再生の活動の要請があったのがこの村での活動開始の切っ掛けでした。モロタ村と異なる点は、霊長類の固定した生息場所はなく、農作物の被害も僅かのため「霊長類の保護」を外し「熱帯雨林の再生活動」に特定しました。
◆育苗及び植栽
4月に苗圃を開設し苗木の育成を始め、8月に植栽をサムレヤ村の人達の参加で実施しました。モロタ村の熱帯雨林の再生方法と同じく、新植苗木と伐根及び実生よりの萌芽苗木との混交林を目標としています。異なるのは、新植のカシュナッツ、マンゴー、ネレ等の果実は霊長類が生息していないため、彼等に供するのでなく、地元サムレヤ村の村民達の食料及び換金用とした点です。植栽面積は当初の計画25Haを上回る28Haとなりました。植栽した樹種別本数は下記の通りです。
◆カシュナッツ 5,410本
◆マンゴー 864本
◆ネレ 739本
合計 7,013本
サナワリア村における
生活自立活動
◆サパ小学校
1999年度にセンター集落、及びガンバ集落の各々にサパの始めての小学校各1教室を設置しましたが、生徒数が徐々に増加し1教室では間に合わなくなりましたため、全面改築で各々2教室に増やす事にしました。面積は、2教室で161.6u(8.10×19.95m)と広く計画しました。日干しレンガの壁にトタン葺き屋根と大幅にグレードアップします。また、トイレおよび飲料用井戸も設置します。2001年の2月完成を目指し12月末に着工しました。今年の雨季には今の草葺き教室と異なり雨漏りがなくなります。11月現在の2集落の各教室に通っている生徒数は表4の通りです。
表4の1年生2年生は、年齢別に分けたのではなく、1999年に入学した生徒を2年生とし、2000年に新規に入学した生徒を1年生としました。年齢はそれぞれ4〜12歳までの子供達で構成されています。今年度、新たに教材を購入しました。内訳は石板120枚、フランス語教科書80冊、算数教科書100冊、算数の練習用ノート80冊等です。因に価格は、教科書1冊3,750FG(225円)、石板1枚1,200FG(72円)でした。教師はセンター集落がスマ・オスマン、ガンバ集落がアルセニ・パスカルで、共にサパのスタッフとして活動しています。両スタッフの相互連絡用に自転車を2台購入し、学習の効率アップを図っています。
◆「堆肥とボカシ肥」の生産指導活動
前号でもご報告しましたように、貧困の大きな原因の1つが焼き畑地の土壌の劣化です。「土作り」の慣習のないこの地域では栽培の繰り返しで農作物の収量が激減し食料の不足を来しています。サパは、土壌の活性化のため日本の伝統有機肥料「堆肥とボカシ肥」の生産指導のため、センターとガンバの各集落に同肥料の生産小屋を各1棟建設し、徐々に成果が上がっています。
◆保健衛生活動
サパの唯一人の女性スタッフで保健衛生士のファトウマタ・カマラが、サナワリア村内の各集落を精力的に巡回し、病気予防に関する知識普及のための学習を実施しています。各集落毎にこのプロジェクトを推進するリーダーを選出し、サパの保健衛生士スタッフの指導項目の徹底を図っています。指導内容は、飲料水の選択、身体の清潔保持、バランスのとれた食事、食料の保管方法等で、特に育児についての知識修得に重点を置いています。11月末現在の彼女が指導している箇所は、下記の7集落です。
@サナワリア・センター Aカンバ Bダルサルム
Cミシラ Dトミニ Eカンケリバ Fラマヤ
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