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事務局長 野澤眞次
はじめに
2004年度の活動については、計画の柱となるモロタ村における「熱帯林の再生」と、サナワリア村の有機農法の普及が挙げられます。加えてギニアウオーム病及び、マラリア病等の風土病予防で三本柱の活動と位置付けています。ここでは表題の通り、2004年1月より2005年3月までの「活動報告」としましたが、4月以降は2005年度となりますため、当初の3カ月(1月〜3月)を含めた2004年度の活動について概要を下記いたします。
尚、この活動実施については、去る2004年3月28日(日)サパの事務局本部にて開催の理事会及び、総会にて審議され、承認されましたことをご報告いたします。
●熱帯林の再生活動(モロタ村他)
サパは、村民達と共に、土壌劣化のため農作物の継続栽培を断念した焼き畑地を対象として1999年度より有用樹(カシュナッツ、マンゴー他)を植栽してきました。
2002年度までにモロタ村で合計138ha、サムレア村75ha、セエンタ村17haと総計230haが植栽されました。これらの地区で、これ以上の新規植栽は、除草、乾季での防火帯設置及び、潅水等の保育作業にたいする作業人員確保が、村人口から判断して困難なため、暫く保留し保育作業に専念することにしました。又、森造りには新規植栽以外に、旧熱帯林の残存根茎よりの萌芽を育成することで、元の森樹種構成の再現を試みました。
▲選伐作業
最初に植栽した1999年度植栽地の選伐作業の継続を行いました。この地は、乾季と雨季が年間二分され、雨季の雨量が年間2000mm以上と多いため、植栽木と萌芽各稚樹の生育が旺盛で密生状態となってきましたため、言わば間引きに当たる選伐作業が必要となっています。
2003年に引続き2004年1月から選伐作業を継続しました。前述のように既植栽木の内、生育の早い稚樹は、樹高が3〜5mに伸長し林間の隙間を塞ぎ風通しが悪くなり、病害虫の被害を受けることになります。
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2004年1月〜6月のシンバラヤ地区の選伐実施面積は、合計6.5haとなりました。作業は、一本一本特定樹種と特定木を選び伐採する高度の技術を必要とするため、スタッフ4名が研修を兼ねて対応しました。
中でも重要事項は、選伐する樹木の特定です。通風のため樹種に関係なく伐採するのでなく「選伐」の言葉どおり選ぶ基準を設けて伐採します。村民達の生活に有益な有用樹の育成を優先しますが、混交林の構成上不要な樹木を残す選択も必要となります。
又、選伐作業に欠かせないのは、生育している各樹種の特性の熟知です。従って昨年から熱帯林の専門家である「内村悦三博士」の指導の下、モロタ地区の「植生調査」を地元集落の長老の参加のもと実施してきました。
選伐の最初の一年はサパのギニア人スタッフ(5名)に日本人専門家2名(前出の内村悦三博士とサパの野澤眞次事務局長)で指導を行い、その後技術を習得したスタッフが各集落の村民達に対し、選伐の自主作業への指導を2004年度後半より始めました。
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▲選伐面積について
2003年7月の選伐開始より1年半経過した結果、シンバラヤ集落は16.5ha、又、ラミホレ集落は15haが選伐され合計31.5haとなりました。 (下表参照)
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| 選伐面積(2003年7月〜2004年6月) 単位(ha) |
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7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
| ラミホレ |
0 |
4 |
2.5 |
4.5 |
0 |
0 |
0 |
0 |
| シンバレヤ |
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0.5 |
| 合計 |
0 |
4 |
2.5 |
4.5 |
0 |
0 |
0 |
0.5 |
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3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
合計 |
04/7〜05/1 |
総合計 |
| ラミホレ |
/td>
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5 |
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4 |
15 |
| シンバレヤ |
1 |
2 |
1.5 |
1.5 |
6.5 |
10 |
16.5 |
| 合計 |
1 |
2 |
1.5 |
1.5 |
6.5 |
14 |
31.5 |
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▲防火帯の設置作業
既植栽地を乾季の焼畑火入れの類焼から守るため、恒例となっています「防火帯の設置」作業を1月に実施しました。
この作業は、4集落の植栽地の周囲延べ12.000m、幅8m、面積96.000m2内の潅木、枯れ草等の可燃物を除去するものです。村民延べ約1000名が参加しました。
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▲「森造り」がもたらす成果について
熱帯林の再生植林を始めて7年目の年を越したことになります。焼畑跡地の荒地に稚樹林が出現し森の機能が50年振りに僅かながら回復しつつあります。50年前に熱帯林の伐採と共に涸れた泉が、麓の谷地に湧き出し始めたこと、谷川の水が増水し水田、野菜畑の栽培面積が3倍に増加したことなど、森の機能の回復で乾季でも農業用水が確保され村民達に笑顔がふえてきました。村民達は「森造り」がもたらす次の事象を大変喜んでいます。
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| 1.森から薪の採取が始まった 2.山麓の湧水量が大幅に増えた 3.小動物、鳥が来るようになった。 |
●有機農業の普及による生活自立活動(継続)(サナワリア村)
ギニアの首都コナクリより西130kmに位置するこの村は、耕作地の劣化による農業の衰退と共に貧困度が加速されています。貧困の大きな原因の一つに農地の土壌劣化が挙げられます。これを改善するためサパは2003年に「有機肥料生産技術研修センター」を建設し、年内に研修を終了した研修生は60名になります。
ところが、研修生の募集は、2003年12月まで順調な応募が続きましたが、2004年1月より応募者がいなくなりました。理由は、2003年の稲収穫量が雨季の8月半ばの豪雨による流出で半減したためです。農民達は、食糧購入のための資金稼ぎで、首都圏のコナクリ地区に出稼ぎで出かけてしまい、有機肥料生産技術研修の余裕がなくなりました。この豪雨はこの地区のみでなくギニア南部全般が被害を受け、米の価格が30%値上がりしました。
他方、この研修センターには、噂を聞きつけた農民達が見学に訪れるため、一時でも閉鎖できません。そのため、応募研修生の代わりに研修生OB、OGを1月に7名雇用し対応することとしました。前述のように国際連合FAOとの提携が決まったこともあり、同ギニア事務所のメンバーを始め関係者の視察、見学が相次いでいます。
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又、より一層の有機肥料の普及を目指すため、研修センターの支部「アネックス」を各集落に設置しました。目的は、有機肥料の普及には男性よりも女性の方が栽培への直接関与度が高く効果的と考えたからです。その第一号がマディナ集落です。国連FAOとの提携活動の菜園のある集落のため、女性達の有機農法への関心が高いのと、以前建設した肥料生産小屋があることもこの場所選定の理由となっています。
研修センターの付属試験農場では、6月に播種した稲、なす、落花生、トーモロコシ等へ有機肥料の堆肥、ボカシ肥の施用が行われました。この研修センターにおいては、2004年7月から2005年1月までの7カ月間に約5トンの「ボカシ肥」が多数の農民達の協力により生産されました。
サパは、熱帯林の再生植林を行っているモロタ村に在住の農民達にも、2001年頃より堆肥とボカシ肥の生産指導を行ってきましたが、その後モロタ村の隣村のイエリア村に有機肥料(ボカシ肥)の効果の認知を得るためサンプルをモロタ村同様配布しました。
2005年1月には、モロタ村のラミホレ、シンバラヤ、両地区へ完成ボカシ肥40袋とボカシ肥の原料の一つである「米糠」などを提供し、サパのスタッフによるボカシ肥の生産や施肥の方法を指導しました。実際に村民達がボカシ肥を使用することで、その効果を実感することが普及の早道と認識しています。
● 国連FAOとの提携活動について(サナワリア村マディナ地区)
国際連合FAOが世界の発展途上国で推進中の"テレフードマイクロプロジェクト活動"(小学校の菜園を設置し、野菜栽培を通して農業の大切さを生徒達に伝えると共に不足している食料生産に寄与することを目的とする)1000カ所の中で、唯一の有機肥料栽培サイトであるサナワリア村のFAOプロジェクトの活動が本格的に始まりました。地元のマディナ小学校の菜園を中心にマディナ集落と小学校、サパ及びFAOの三者が運営委員会を作り運営に当たっています。
全栽培面積3500m2で稲が500m2野菜が3000m2です。8月に稲の播種を行い12月に185kgが収穫されました。精米にすると90kg位に減量します。このFAOプロジェクトで収穫された米は、乾季に収穫される野菜と一緒に学校給食として生徒達に提供される予定です。一人当たり150gで約100人分として一回当り15kg必要です。90kgの米は、6回の給食分に相当します。野菜予定地3000m2は、9月より開墾が始まり1月に完了しました。FAOより、なす、オクラ、ピーマンの種が提供されています。1月には野菜栽培地の土壌を深く掘り返し雑草や木の根を取り除き、野菜を「家畜及び野生動物」から守るための囲いを作りました。
2月に井戸ポンプが設置完了し潅水も可能になりました。子供達による苗畑の野菜への床替え、播種と移植や水遣りが楽しみです。
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●風土病の予防及び、保健・衛生環境改善活動(継続)(サナワリア村)
担当スタッフは、マリ スマ保健衛生士が当たっています。2004年度も引続きギニアウォーム病の予防策を中心とした風土病の罹患率の低減化を図っています。1月〜6月は、降雨の少ない乾季に当たるため、マラリアを媒介するハマダラ蚊の生息数が減少し、併行して罹患率も幾分減少することになります。
従ってこの期間は、季節に関係ない「ギニアウオーム病」予防として、村民達に原虫が生息していない地下水を供給するため、サナワリア村のサナワリア集落に深井戸1基を建設しました。サパはより多くの深井戸の設置を実施したいのですが、1基当たり150万円程の経費を要するため毎年1基に止めています。更に食糧不足と母親の知識欠落による虚弱児が多いため、食物の内容改善のための講習会を各集落で開催、啓発に努めています。
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2004年下期よりそれまでのスタッフのマリ・スマ保健衛生士に代わって、ジャン・ミッシェル・カマノ保健技術士に交代しました。タネネ郡の保健センターと提携し今まで以上に体系的な活動を展開することになりました。各集落に3週間毎の啓発活動が、以下の内容で行われ村人達が熱心に聞き入っていました。
●食料の衛生的管理方法について。
●水の使用目的に沿い使い分ける。(飲料水、料理用水、食器洗い用水、洗濯用水など)
●ごみ、排泄物の除去法(トイレの必要性の啓発)
具体的活動として老人の血圧測定と診察により高血圧の早期発見と健康管理指導を行いました。また子供達(0〜5歳)と妊婦の血圧、体重測定及び、診察を行った結果、ギニアウオーム、下痢、子供のマラリアなどの症状が見られました。
又、マラリア予防対策として、サパが地元産の蚊帳30張を最も貧しく井戸もない村のカンカレバ村とカレタ村へ各12張貸与配布しました。貸与後5カ月経過した2005年1月現在マラリアの発症は見られていません。
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