沖縄の魚と言うと、グルクンやアオブダイなどカラフルな魚をイメージする人が多いでしょう。しかし、沖縄では、日本一早い”初ガツオ”を味わえるとして有名です。沖縄で愛されるカツオについて、ご紹介しましょう。
カツオの産地と旬
沖縄のカツオの産地は、本島北部の本部町(もとぶちょう)、宮古島、伊良部島が有名です。
4月中旬から10月下旬にかけてカツオ漁が行われるので、日本一早い”初ガツオ”が味わえます。本部町は子供の日が近づくと「こいのぼり」ではなく、「かつおのぼり」が飾られて、子供たちの成長とカツオの豊漁を祈願します。

上の写真は、那覇市のパレットくもじで「6月10日はむとぅぶの日」のイベントの時に飾られていた「かつおのぼり」です。この日は数匹しか飾られていませんでしたが、子供の日の時の本部町では、ずらっと並びます。
カツオは栄養満点!
カツオは栄養満点です。カツオには血液をサラサラにするEPAや脳の働きを活性化するDHAがたっぷり含まれています。
さらに、ビタミンB12や鉄分も含まれているので、貧血を予防する効果があります。余分な塩分を排出するカリウム、骨を形成するマグネシウムも多く含まれているので、高血圧や動脈硬化の予防などさまざまな健康効果が期待できるのです。
なんとタウリンも含まれています。タウリンは肝臓の機能を高める働きのある栄養素で、肝臓の機能を高めることにより疲労回復の効果が期待できます。
カツオの食べ方は、刺身やたたきのほかに、味噌あえもあります。栄養満点のカツオをもっと食べましょう!
かつおぶしの消費量は沖縄がずば抜けて多いです
2016年の総務省の家計調査を見ると。かつおぶしの消費量は沖縄が1位です。一世帯あたりのかつおぶし消費量の全国平均は276gですが、沖縄県は1,768g。2位の高知県で476g、3位は静岡県で420gです。
以前はカツオ漁ももっと盛んでしたが、後継者不足、カツオの漁獲量が減少してしまって、かつおぶし工場も少なくなってしまっていますが、かつおぶしの消費量は、沖縄がずば抜けて多いですね。
これは、沖縄県民のソウルフード、”沖縄そば”のだしになくてはならないものであること、煮物だけでなく、イリチーという炒めものなど他の料理にも使われるからだと考えられます。スーパーに行くとずらっとかつおぶしが並んでいます。おひたしのトッピングに使う細かい削り節よりも、だし用の荒節に人気があります。

牧志公設市場周辺には、イマドキ珍しい”乾物屋さん”や”鰹節店”を見ることが出来ます。

現代っ子は、削っていないかつおぶしを見たことのない子供もいますから、是非、見に行ってください。
かつおだしは健康効果がある
かつおぶしで取ったかつおだしは旨みがあるので、塩を多用せずにすみます。かつて沖縄が長寿県と呼ばれていたのは、かつおだしを中心にしていて、塩分摂取の少ない食文化にあったと言われています。
戦後、沖縄統治の影響や本土の食文化の影響で、”味くーたー(味付けの濃いもの)”が好まれるようになり、長寿日本一の座を明け渡してしまいました。かつおぶし、かつおだしを見直すことで、塩分摂取を減らして生活習慣病を予防することが出来ます。
かちゅーゆは手軽でおいしい!
かちゅーゆとは、お椀の中にたっぷりのかつおぶしと味噌を入れてお湯で溶いたお料理です。
とても手軽ですが体が温まるので、風邪をひいた時や二日酔い、疲れた時に飲むと効果バツグンです。
これは、かつおぶしとお味噌が本物でないとおいしくありません。シンプルな料理ほど、素材の良さが光りますね。
家でもカンタンに作れますが、「あめいろ食堂」で定食を頼むとかちゅーゆがついてきますよ。
<写真再利用>栄養満点のカツオをぜひ、見直してくださいね。