SUPA沖縄

沖縄を楽しむ為の情報サイト

観光

世界遺産の斎場御嶽が男子禁制になる!?

投稿日:2017年9月18日 更新日:

沖縄の世界遺産には、かつて男子禁制だった斎場御嶽があります。現在の斎場御嶽は、男性であっても入ることが出来るのですが、もしかしたら近い将来、かつてのように男子禁制になるかもしれないという噂があります。

斎場御嶽ってどんなところ?

斎場御嶽

斎場御嶽は、2000年(平成12年)に、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして世界遺産に登録されました。でも、斎場御嶽は、そもそも琉球王国最高の聖地といわれ、戦前までは、男子禁制の聖域とされてきました。

斎場御嶽が聖地とされた理由

沖縄には、聖地と呼ばれる場所が無数に存在します。その中でも、最高の聖地と呼ばれているのは、本島から5.3㎞離れた小さな島・久高島があります。

久高島は、琉球を作った神さまといわれているアマミキヨが天から降り、この島から琉球の国づくりを始めたという神話が残る島です。そのため、琉球王朝時代にも、わざわざ国王が島に渡り巡礼する場所でもありました。

これに対して、斎場御嶽は、沖縄本島最高の聖地と呼ばれる場所です。

その理由は、斎場御嶽が、王国最高の聖地である久高島からの霊力が、最も集まっている場所とされているからでした。そのため、国王が久高島へ巡礼に出かける前には、必ず斎場御嶽に立ち寄ったといわれています。

どうして久高島が琉球最高の聖地とされたのか?

久高島が最高聖地といわれるようになった理由には、アマミキヨ降臨伝説があるからだけでなく、ニライカナイと呼ばれる聖地とつながる場所といわれていたからです。

ニライカナイってどこにあるの?

海

琉球にとってニライカナイは、いわゆる「あの世」のことをいいます。その場所は、はるか遠い東の海のかなたといわれています。

でも琉球のニライカナイは、日本人が考えるあの世と少し考え方が違います。

日本人が考える「あの世」といえば、人間が住む場所である地上を基準に、上空のはるかかなたにあるものを「神の国」、地中深くにあるものを「黄泉の国」と考えます。

ところが、ニライカナイは、空でも地中でもなく、海のはるか彼方にあるといいます。そのためニライカナイは、空と地の境目である地上と同じ目線であるにもかかわらず、人間が住む世界とも違うといわれています。

そんな特別な場所であるニライカナイは、豊穣や生命の源と考えられています。昔から琉球の神さまは、年の初めにニライカナイから海を渡って人間の世界へやってきて、豊穣と生命の誕生をもたらし、年末になると、再び神さまの国であるニライカナイへと帰っていくといわれています。

琉球では、人間でも死後7代たつと神さまになる

琉球では、人は死んだあと祖霊となるのですが、死後7代たつと、祖霊はニライカナイへと渡り、親族の祖霊神(守護神)として生まれ変わるといわれてきました。そのため、ニライカナイは、後生(グソー/あの世)といわれるようになったといいます。

琉球王国最高の御嶽

斎場御嶽の「斎場(せーふぁ)」とは、「最高」という意味があります。ですから、斎場御嶽は、「琉球王国最高の御嶽」と位置づけさられています。そのこともあって、古くは、琉球国の最高神職であった「聞得大君」がこの場所を管理していました。

聞得大君は、国王のおなり神とされる女性の神官です。

聞得大君には、代々、王族の女性が任命されます。就任が決まった新しい聞得大君がまず初めに行う儀式が、就任の儀式である「御新下り(おあらおり)」で、この儀式が行われるのが、斎場御嶽だったいいます。

国王ですら例外ではなかった斎場御嶽の男子禁制

斎場御嶽は、かつて、そのすべてが男子禁制とされていました。それは、時の国王であっても例外ではありません。

久高島巡礼のために国王が斎場御嶽を訪れる際も、御門口(うじょーぐち)より先へ進むときは、女性のように襟の合わせを改めなければいけなかったといいます。

当時の人にとって襟の合わせを改めるということは、いわば女装をするということ。国の最高権力者である国王であっても、斎場御嶽の男子禁制の前では、女装を強要させられていたということなのです。

昔は地元人だけが訪れるひっそりとした聖域だった

戦前までの斎場御嶽は、琉球王朝時代と同じく男子禁制が守られてきました。戦後、この令は廃止されましたが、その後も、沖縄県人にとって「本島最高の聖域」という位置づけは変わることはありません。多くの参拝者がこの場所を訪れ、祈りをささげる場として、今に至るまで守り継がれてきました。

そういえば、今から20年ほど前までは、斎場御嶽は無料で見学することが出来ました。この頃も、観光客の姿はよく見かけましたが、それでも、当時には暗黙のルールがあったような気がします。

実際に、私が初めて20年前に斎場御嶽を訪れた時も、案内してくれた地元出身の友人から、「拝所で拝んでいる人にカメラを向けてはいけない」「拝所にはむやみに入らない」等、細かく注意されたことを覚えています。

そういうこともあって、「斎場御嶽は、本土からの観光客にとって敷居の高い場所」というイメージを強く持ちました。

世界遺産に登録されたことによって急増した観光客

斎場御嶽が世界遺産に登録された2000年以降も、しばらくは、今のように観光客向けの施設やお店が立ち並ぶような場所ではありませんでした。

現在、斎場御嶽の入場チケット販売所も兼ねている施設も、どちらかというとひっそりしていて、斎場御嶽の見学者の休憩場所というよりも、地元に住む人たちの憩いの場という印象がありました。

ところが、今は、券売所がある施設から斎場御嶽の入り口に向かう道路は、土産物品店が立ち並び、景色が一変してしまっています。地元人の姿よりも観光客の方がはるかに多く、こうした景色を見かけると、地元人の聖地であった斎場御嶽というよりは、観光地としての斎場御嶽となってしまったことを実感します。

観光客のマナーの悪さが問題となっている現在の斎場御嶽

実際に最近の斎場御嶽を訪れてみると、本土から移住してきた私から見ても、観光客のマナーの悪さが目につくようになっていました。

ヒールやサンダルで見学する人が多い

世界遺産に登録されたことによって、かつての斎場御嶽とは比較にならないほど、敷地内はきれいに整備されています。とはいえ、そもそもが、自然の中に作られた拝所ですから、基本的には山道です。

そんな場所に、ヒールやサンダルで出かけていけば、大変なことになるのは当然です。施設の配慮からか、入口に設置されている事務所では、滑りにくい靴の貸し出しも行っているのですが、それを無視して中に入ろうとする人の姿もあります。

拝所の香炉に登る

斎場御嶽の中には、いくつかの拝所があり、それぞれに香炉があります。

これは、今でもこの拝所を訪れる地元の人々が、お参りをする際に使う大切なもの。ですから、香炉に触れることはもちろんのことですが、香炉の上に登るなんてことは言語道断なのです。

でも、実際に中を歩いてみると、香炉の上に立って写真を撮る観光客の姿があります。

聖地なのに大騒ぎ

斎場御嶽は、確かに沖縄の有名観光地です。でも、観光地である前に、この場所は、祈りをささげる場所として長く守られてきました。

そんな斎場御嶽の中で、大きな声ではしゃいでいる観光客の姿も、残念ながらみられます。

小さな祠の前で静かに拝みを続ける地元の女性たちのすぐそばで、こうした光景が見られるようになったのも、観光客が急増したことが原因にあるのかもしれません。

男子禁制化が話題となった背景

斎場御嶽が近いうちに男子禁制化されるかもしれないという話の発端は、2013年に斎場御嶽を管理する南城市の当時の市長の発言にあったようです。

当時の市長の発言によれば、観光客のマナーの悪さなどが問題となっているため、男子禁制化とすることによって入場者数を制限することを検討するということだったようです。

2015年に結論を出すとした当時の市長の発言でしたが、現在も、特に規制されることなく男性でも入場することが出来ていますから、今のところ男子禁制かは見送られたことが分かります。

でも、有名観光地となった世界遺産では、斎場御嶽だけでなく、日本全国でも様々な問題が起こっています。

男女差別という問題で斎場御嶽の男子禁制論をぶつけあっているだけでは、この問題の解決にはなりません。古の聖域で出会うことができる感動のためにも、今、私たちにできることは、マナーを守って見学するということに尽きるのかもしれません。

-観光


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

万座毛

沖縄中部の観光スポット・万座毛ってどんなとこ?

沖縄本島中部にある観光スポットといえば、万座毛があります。象の鼻の形をした巨大な岩が珍しいと評判の万座毛は、沖縄に来たら必ず立ち寄りたい観光スポットです。 万座毛の秘密 象が水を飲んでいるようにも見え …

ウミガメ

座間味諸島の無人島「屋嘉比島」とは?

沖縄の人気観光スポットである慶良間諸島にはいくつかの無人島がありますが、その無人島のなかでも最南西に位置しているのが「屋嘉比島(やかびじま)」です。サンゴ礁の美しさは慶良間諸島でも一番と言われるこの島 …

渡具知ビーチ

沖縄本島のビーチは、穴場ほど見応えがある

沖縄は、どこに行っても海がきれいに見える場所!しかも、1年のうちの半分以上、海で遊ぶことができます。でも、マリンレジャーだけが沖縄の海じゃない!本気できれいな海が見たければ、穴場のビーチが1番です! …