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沖縄で昔から伝わる不思議なおまじない

投稿日:2018年1月22日 更新日:

おまじない

沖縄には、昔から伝わる不思議なおまじないがたくさんあります。その中には、今でも習慣として伝え続けているものたくさんあります。沖縄に伝わる不思議なおまじないの世界を、ちょっとのぞいてみましょう。

赤ちゃんがくしゃみをした時のおまじない

沖縄では、赤ちゃんがくしゃみをすると、そばにいるお母さんやおばちゃんが、「クシュケー」といっておまじないをします。赤ちゃんの可愛いくしゃみに続いて、間髪入れずに「クシュケー」というので、初めて耳にするとちょっと戸惑う人もいるかも…。でも、このおまじないには、沖縄だけではなく、かつては日本全国で耳にしたおまじないでした。

くしゃみをすると魂を持っていかれる?

赤ちゃんがくしゃみをした後、すぐにおまじないをするようになった理由には、くしゃみとともに赤ちゃんの魂が体から飛び出し、代わりに悪い霊が体の中に入ってきて命を落としてしまうと考えられていたからだといいます。

沖縄では、魂のことを「マブイ」と言いますが、このマブイは、ちょっとしたことですぐに体から離れて行ってしまうと考えられています。特に子供の頃のマブイは体から離れやすいといわれていて、その昔は、子供の着物にマブイをくっつけるためのお札のようなものをつけていました。

なかなか体にくっついてくれないマブイ

マブイが体から離れてしまうと、命が危険にさらされてしまうと考える沖縄では、事あるごとにマブイをくっつけようとするおまじないが存在します。赤ちゃんがくしゃみをした後の「クシュケー」のおまじないもその一つなのですが、大人になってからも、ビックリするようなことがあるとマブイは体から離れてしまうため、その都度「マブイ込め」というおまじないをします。

一度くっつくと今度はなかなか離れない

いろいろなことを試しながらなんとか体にマブイを定着させると、今度は、そのマブイはなかなか離れません。そのため、人が死ぬと、身体にその人のマブイが残ったままになってしまうため、マブイを体から引き離すおまじないをしなければいけません。このおまじないを、「マブイわかし」といいます。

地震が起きた時のおまじない

本土と比べると地震が少ない沖縄ですが、周りを海に囲まれている沖縄では、一たび大きな地震が起こると、大変な被害が出ます。そのため、沖縄では、地震が起きた時に「チョージカ、チョージカ」と唱えて被害が及ばないように念じるおまじないがあります。

チョージカ=経塚?

「チョージカ」の語源は、浦添市にある「経塚(きょうづか)」と呼ばれる地域と関係があります。経塚では、昔、人々を悩ませる妖怪が度々現れたといわれており、その妖怪を供養するために当時の偉いお坊さんがお経を経塚に納め、その場所に碑石を建てたといいます。これ以降、妖怪に悩まされることがなくなった経塚では、災いを避ける聖なる場所として考えられるようになりました。

昔の人々は、地震のような天災は、悪い鬼や妖怪がおこすものと考えていましたから、いつしか地震が起きた時のおまじないとして、沖縄の方言で経塚を意味する「チョージカ」を唱えるようになったといわれています。

日本全国でも似たようなおまじないがある

地震の時に「チョージカ(経塚)」と唱えるおまじないは、沖縄だけのおまじないかと思われがちですが、意外なことに本土でも同じようなものがあります。

ただし本土では、「チョージカ」ではなく、「キョウノツカ」や「キョウヅカ」というようです。これは「経塚」」から転じたものではなく、「京の塚」の方。京はかつて日本の将軍がいた京都のことをさしており、「京の塚」は「将軍塚」のことを指しています。

なんでも本土では、地震のような大異変が起きる時には、京都にある将軍塚が鳴動するとかんがえられていたことから、地震の際のおまじないとして唱えるようになったといわれています。

怒った相手をなだめる時のおまじない

ちょっと変わった沖縄のおまじないといえば、相手が怒っている時に唱えると自然に怒りが収まるというおまじないがあります。

このおまじないは沖縄の格言が基にあった

人間社会ですから、時には、意見の違いや行き違いによって相手の怒りを買ってしまうことがあります。うまく誰かがその怒りを収めてくれるなら良いのですが、怒って感情的になってしまっている相手を抑えるのは、なかなか難しいものです。

そんな時に使えるおまじないが、「イジヌンジラー ティーヒキ、ティーヌンジラー イジヒキ」です。

これをわかりやすく訳してみると、「怒りがおきたら、手を出さないようにしなさい。手が出そうになったら、心を静めるようにしなさい」となります。これは、沖縄本島南部にある糸満市に伝わる伝説で登場する格言が基になっていて、いつしか沖縄全島に広がっていったといわれています。

このおまじないは、実際に相手の怒りを収めるためのおまじないとして唱えるだけでなく、ケンカを諫めるための格言として家庭ではよく使われていたようです。

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