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沖縄のお葬式の風習の由来を知っておこう

投稿日:2022年2月5日 更新日:

沖縄にはいろいろな風習があります。中でもお葬式にまつわる沖縄の風習は地域や一族によっても様々。ただ、意外と知られていないのが風習の由来です。知ってみると「なるほど」と思う風習を紹介します。

お供え物にゆで卵

茹で卵

お葬式というと宗派によってお供え物が変わります。

例えば仏教の場合、一膳飯と枕団子などがお供え物の代表です。ただ沖縄の場合、「沖縄式」のお供え物があります。

沖縄式のお供え物には「これが正しい」はありません。

「一般的に」という前提を付けるとすれば三枚肉と島豆腐、塩と味噌をそれぞれ1セットずつになります。

三枚肉は豚バラ肉の塊を使ったもので、沖縄そばのトッピングによく登場する「三枚肉」と同じです。

でも、お葬式のお供え物として使う時には、沖縄そばのトッピングの三枚肉をそのまま使うことはありません。

お供え物として三枚肉を出す時には、味付けをせず茹でただけのものを使います。ただし、出し方も地域や一族によって違います。

本島南部では茹でた三枚肉をカットしたものをお供えしますが、同じ南部地域でもカットせずに塊のままお供えするところもあります。

ところが三枚肉や島豆腐、塩・味噌はお供えせず、ゆで卵をお供えする地域もあります。

三枚肉やその他のお供え物の代わりにゆで卵をお供えするようになった由来は、大昔の人々の暮らしと関係しているといわれています。

沖縄ではその昔、人が亡くなると大切な家畜の中から最も高価なものをお供え物にしました。

そのため、お金持ちの地主などは家畜の中でも貴重な牛をお供えします。でも、牛をお供えすることが出来るのはよほどのお金持ちしかいません。

そのため、牛の代わりとして豚をお供えするようになります。

当時はお供えする単位は「家畜丸ごと1頭」なのですが、庶民が豚を口にすることが出来るのは1年にわずか数回。

それだけ高価な豚を丸ごと1頭お供えすることは庶民にはなかなかできません。

そこで「せめて少しでも」という想いから豚の塊肉をお供えします。

ところが、それすらもお供えすることが出来ないとなると、今度はもう少し手頃なトリをお供えします。

でも、トリ1羽をお供えすることもできない人は、「せめてその代りに」といって生卵をお供えします。

さらに、その生卵を茹でてお供えするようになります。これがお葬式でゆで卵をお供えするようになった由来といいます。

ちなみに本島北部では、ゆで卵ではなく卵焼きをお供えする地域もあります。

しかも、三枚肉などの定番一式に卵焼きを追加でお供えするという地域もあります。

いずれにしても「亡くなった人に居間準備できる最高の食事を!」という昔の人の想いが風習となって残っているのでしょう。

守り刀の代わりにサン

サン

仏教のお葬式では、亡くなった人の体に魔物が取りつかないように守り刀を胸元に置きます。

その昔は日本刀を置くこともありましたが、それが懐刀に変わり、さらに模造刀に変わります。

この習慣も地域によっては「包丁を置く」「ハサミを置く」など違いがありますが、どれも「刃物を置く」という点が共通しています。

ところが沖縄では胸元に守り刀ではなく「サン」と呼ばれる魔除けを置きます。

サンはススキで作るのですが、使うのは先がとがっている葉先の方です。手頃な長さにカットしたススキは結んで魔除けにします。

沖縄では魔物のことを「マジムン」といいます。マジムンはどんなところにも潜んでいます。しかも、マジムンに取りつかれてしまうと魂が奪われてしまいます。

ところが、葉がとがっているサンに当たるとマジムンの身体が切れてしまいます。

そのためマジムンはサンに近づきません。ですから、沖縄では守り刀の代わりにサンを胸元に置き、マジムンに魂を奪われてしないようにしているのです。

副葬品に「ご先祖様への貢物」

副葬品は、棺の中に入れて故人に持たせる「おみやげ」のようなものです。そのため一般的に故人の愛用品や手紙、写真などを入れます。

沖縄にも故人に愛用品などを持たせる風習はあります。ところが沖縄の場合はそれ以外にもお土産を準備します。

沖縄のあの世は「ニライカナイ」のことを言います。

ニライカナイというのは海のはるか彼方にあるといわれていて、神様が住む場所といわれています。

沖縄では人は亡くなるとある一定期間までは「家の神様」になります。

でも、ある時期を過ぎると海を渡りニライカナイで「本当の神様」になります。

本当の神様になると家族だけでなく一族や土地の守り神にもなります。

ただ、本当の神様になるまでには長い時間がかかります。

それまでの間はグソーと呼ばれる世界でご先祖様と一緒に暮らします。

ご先祖様もまたニライカナイに行くまでの時間をグソーで暮らしています。

つまり、ご先祖様は亡くなった人から見ると「グソーの世界の先輩」というわけです。

そのためグソーの世界で仲良くしてもらうために、ご先祖様への貢物をたくさん持たせて旅立たせます。

さらに、ご先祖様に直接品物を届けることが出来るのは亡くなった人だけなので、お葬式では親族が自分のご先祖様のためのお土産を準備します。

そして「あちらにいる私のご先祖様に会ったらどうかこちらのお土産を渡してください」といって棺に納めます。

意味が分からないまま この様子を見ていると不思議な感じがしますが、意味が分かると亡くなった後も家族を想い続ける沖縄の人々の心を感じます。

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